ラヴェニールことわざ辞典

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トゲを捨てる

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トゲを捨てる(とげをすてる)

 

 

本質となるものを捨てる、の意。

 

ティルトレーズの民話『トゲ捨てクルム』が由来。

 

目先のことにとらわれ、何か大事なものを失おうとしている人に「トゲを捨てるなよ」と声をかけたりする。

 

 

元になった民話(『トゲ捨てクルム』)のあらすじ

皆に身体の模様の美しさを絶賛されるタマクルムがいた。自身でも模様の美しさに酔いしれていたが、トゲ(クルムトゲ)にはその美しい模様がなく、トゲのせいでせっかくの美しい模様が台無しになると考えて、切り落としてしまった。それからは、「クルム」として見られることがなくなり、誰にも相手にされなくなってしまった。

 

 

訳注

クルム:小型の水棲生物。尾びれの前にある大きなトゲ(クルムトゲ)が特徴。丸っこい体型につぶらな瞳、性質は穏やかで知性も高く、好奇心旺盛で人にもよく馴れる上に、種ごとに非常にバリエーション豊かな模様・色彩を持つため、古代から親しまれてきた。熱烈な愛好家が多く、「クルムの集い」なる世界的なクルム愛好組織があるほど。

 

 

参考文献

『生物種類別ことわざ辞典「クルム」』(ディレル・アーティ)
『トゲ捨てクルム』(ミーズ・ペラグル)
『クルムの登場する神話・伝説・民話集』(リルカ・アルール)

 

 

類義:「宝剣を守って死ぬ」(ラヴェニール文明)